作 「鎌池和馬 」イラスト「 はいむらきよたか」 2003年

舞台は東京都西部。

大都会東京の中心地から少し離れたその場所には大きな壁が作られ、『学園都市』と呼ばれる科学の大都市が形成されていた。

今や世界の科学技術の全てはこの学園都市から発信されており、その壁の外の世界と内の世界の技術力の差は、およそ20年から30年という恐るべき科学力を秘めているのであった。

……そんな学園都市の科学技術の最先端。それこそが、古くから存在すると信じられたものの、これまで実証されたことのない力。

超能力。

この話は、学園都市のとある高校に通うとびきり不幸な少年、『上条 当麻 』の物語。

この話、まず何がすごいって言われたらその圧倒的なまでの世界観。

主人公、サブキャラ、ヒロイン、敵に至るまで細かく作り上げられたキャラクターたちは、読者を世界に引き込んでくれる。

キャラクターだけじゃなくて、作品テーマから登場する道具の一つ一つにまでこだわって作られたからか、なんとこの本は2003年に初出版が行われてから現在もまだまだシリーズが増え続けているのだ!!

(ちなみにこの写真が撮られている時よりもシリーズは増えており、今はここにプラス4冊される形となっている)

さて、ここで質問。

【主人公らしい】 超能力ってなに?

この本の魅力といえばなんといっても超能力。

魔術……いわゆる魔法的なものも登場するけれど、主人公は科学の街、学園都市の住人の1人。厳密に言うと、ちょっと違ってくるのだけれど、主人公の上条くんもこの学園都市では当たり前の超能力保持者の1人なのである。

主人公が使う超能力といえば派手で、手のひらから凄い攻撃を出したり、なにか超強力ななにかを操ったり……そんなイメージがあるけれども、この作品では違う。

主人公の超能力。その名は

幻想殺し (imagine breaker)

なにやら物々しい名前だなと思うかもしれないが、この能力は「」詳しく言うと、上条当麻の右の手のひらから上は、いかなる場合でも「異能」の力を無効化するのだ。

例えば、能力者が何万ボルトもの電撃を放ってこようとも、右の手のひらで触れればそれを打ち消す。

例えば、どんな攻撃でも反射する最強の能力者の防御も無効化する。そして、この能力の重要なところは「どんな異能でも打ち消してしまう」ということ。

そしてこの作品のテーマは「科学と魔術」もうお気づきではないだろうか?魔術も異能の一つ。

主人公の上条当麻は、魔術を打ち消すことができる。そして魔術を打ち消すということが可能ならば、逆説が唱えられる。そう。魔術は存在するのだ。上条はこのシリーズの中で、沢山の能力者や、多くの魔術師と出会うことになる。

彼がとびきり不幸なのは、実は全ての人に訪れる神様の奇跡……いわゆる幸運さえもその右手で打ち消してしまっているからなのだという。上条の能力は、超能力や魔術に関係せずに干渉を行うのだ。

しかし、作中であることが判明する。それは、超能力と魔術は相性が悪く、お互いにお互いを暴走(?)させてしまう。というもの。だけども、それならば両方の異能を打ち消すことができる……つまりは両方の異能に干渉できてしまう「幻想殺し」は異常なのだ。何故そんなことが可能なのか。彼は、それを確かめるべく様々な事件へと介入することとなるのだった。

このように主人公一つとっても面白い作品なのだが、この作品は数多くの……それも覚えきれないほどの人物が登場する。

かつて敵だった最強の能力者や、同じく上条の前に立ちふさがった不良少年など、そんな者たちだって主人公になってしまう。それが禁書の世界なのだ。

目にしたもの全てを記憶してしまうヒロイン。

学園都市内最高電圧の電撃を操るビリビリ中学生。

かつて魔術で娘を失い、すべての魔術を絶滅させると決めた旧世界最強の魔術師であり現在の学園都市統括理事長。

救われぬものに救いをもたらすために立ち上がった、生まれながらにして才能を持つ魔術師。

主人公のクラスメイトでありながら、学園都市やそれと対抗する魔術勢力の二重スパイ。

魔術を極めた先に、世界すらも自由に操れるようになった正真正銘の神、魔神。

上記以外にも。まだまだ語りきれないほどの人物が登場するのがこの作品、

とある魔術の禁書目録

これからも記事で紹介していこうとは思うが、できればあなたも一度手にとってみることをオススメする!

それではすいゆー、あでゅー。

(画像はGoogle検索より、とある魔術の禁書目録 _電撃文庫出版 を使用しています)